山崎豊子。
著者の遺作となった小説。
残念ながら三部構成のうち第一部のみが完成している未完の絶筆となった。
巻末には著者が構想していた第二部、第三部の案を山崎プロジェクト編集室がまとめた『約束の海』その後−が掲載されている。
海上自衛隊の士官として有望視されている花巻朔太郎は、最新鋭潜水艦くにしおの船務士としてその任務についていた。
自衛艦隊による展示訓練を終えたくにしおは母港のバースへの帰投途中で民間の遊漁船第一大和丸と衝突し、30名もの死者を出す。
自分を責める朔太郎は自衛隊の職を辞する覚悟を決めるが、戦争の話を一切しない父との久し振りの再開で交わした言葉に新たな問いを突きつけられるのである。
恋心を寄せるフルート奏者の頼子や、朔太郎に近づきたい食堂の看板娘サキ、登場人物も個性的で、今後の展開が大いに期待されただけに残念でならないが、著者のご冥福をお祈りする。
2015年7月23日木曜日
2015年7月19日日曜日
2015年7月12日日曜日
2015年7月9日木曜日
2015年7月3日金曜日
2015年6月29日月曜日
私の命はあなたの命より軽い
近藤史恵。
大阪の実家を離れ、東京で夫と暮らす遼子。
夫のドバイ行きが下命され、臨月を迎えていた遼子は里帰り出産を決める。
久し振りの帰省にも係わらず、遼子の帰省に対して両親は何故か冷たく、妹の美和は両親との間がぎくしゃくしている。
出産間近の遼子にひた隠す家族たちの秘密。
生まれてくる赤ちゃんに罪などないのだが、命に重さがあるとしたらそれは人間のエゴなのだろうか。
最期がかなり意味深。
(^-^;)
大阪の実家を離れ、東京で夫と暮らす遼子。
夫のドバイ行きが下命され、臨月を迎えていた遼子は里帰り出産を決める。
久し振りの帰省にも係わらず、遼子の帰省に対して両親は何故か冷たく、妹の美和は両親との間がぎくしゃくしている。
出産間近の遼子にひた隠す家族たちの秘密。
生まれてくる赤ちゃんに罪などないのだが、命に重さがあるとしたらそれは人間のエゴなのだろうか。
最期がかなり意味深。
(^-^;)
2015年6月28日日曜日
ファイヤーボール
原宏一。
商社マンとして家庭をも省みない激務に身を投じていた咲元。
ヨーロッパ出張から戻った咲元を待っていたのは専務の失脚と連座人事による閑職への異動であった。
定時帰宅の身となり、これまで妻に任せきりであった新興住宅地区の町内会定例会に行かざるを得なくなった咲元は、町内会主催のフェスタに意見をしたことから、様々な問題を抱える町内会と、古くからある隣の地区との確執に巻き込まれていく。
情熱を傾ける何かを欲していた咲元は、人生の転機とばかりに早期退職し、自らが企画した奇祭の開催に奔走する。
地区内外の味方や仲間、家族の協力を得て、祭は熱く盛り上がりをみせ、その日を迎える。
初読みの作者だったが一気読みさせられる面白さ。
(^.^)
商社マンとして家庭をも省みない激務に身を投じていた咲元。
ヨーロッパ出張から戻った咲元を待っていたのは専務の失脚と連座人事による閑職への異動であった。
定時帰宅の身となり、これまで妻に任せきりであった新興住宅地区の町内会定例会に行かざるを得なくなった咲元は、町内会主催のフェスタに意見をしたことから、様々な問題を抱える町内会と、古くからある隣の地区との確執に巻き込まれていく。
情熱を傾ける何かを欲していた咲元は、人生の転機とばかりに早期退職し、自らが企画した奇祭の開催に奔走する。
地区内外の味方や仲間、家族の協力を得て、祭は熱く盛り上がりをみせ、その日を迎える。
初読みの作者だったが一気読みさせられる面白さ。
(^.^)
2015年6月27日土曜日
パレートの誤算
柚月裕子。
津川市役所福祉保険部社会福祉課の臨時職員として採用された聡美。
社会福祉士と児童福祉司の資格を持つ聡美であったが、配属先では生活保護に関する業務を行い、ケースワーカーとして生活保護受給者の訪問指導の仕事を割り当てられる。
ケースワーカーの仕事に戸惑いを感じる聡美にアドバイスを与える先輩の山川。
その仕事に責任とプライドをもつ山川は一人で160人もの担当を受け持ち、誰からも慕われる存在であった。
ドヤ街の担当区域に訪問に出掛け、なかなか戻らない山川を心配する聡美たちは、けたたましいサイレンの音に不安を募らせる。
焼死体で発見され、放火殺人の被害者として身辺捜査が行われた山川には不可解な行動と高価な腕時計のコレクションを持っていた事が判明し、捜査は意外な方向へ向かい出す。
山川を尊敬する聡美は、同僚の小野寺とともに彼の足跡を辿るのだが…
柚月の硬質な文章で社会問題を取り上げた意欲作。
(^^)
津川市役所福祉保険部社会福祉課の臨時職員として採用された聡美。
社会福祉士と児童福祉司の資格を持つ聡美であったが、配属先では生活保護に関する業務を行い、ケースワーカーとして生活保護受給者の訪問指導の仕事を割り当てられる。
ケースワーカーの仕事に戸惑いを感じる聡美にアドバイスを与える先輩の山川。
その仕事に責任とプライドをもつ山川は一人で160人もの担当を受け持ち、誰からも慕われる存在であった。
ドヤ街の担当区域に訪問に出掛け、なかなか戻らない山川を心配する聡美たちは、けたたましいサイレンの音に不安を募らせる。
焼死体で発見され、放火殺人の被害者として身辺捜査が行われた山川には不可解な行動と高価な腕時計のコレクションを持っていた事が判明し、捜査は意外な方向へ向かい出す。
山川を尊敬する聡美は、同僚の小野寺とともに彼の足跡を辿るのだが…
柚月の硬質な文章で社会問題を取り上げた意欲作。
(^^)
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