2014年1月27日月曜日

下町ロケット

池井戸潤。

大型水素エンジン、セイレーンの開発に9年間の研究人生を捧げた佃航平であったが、セイレーンの打ち上げ失敗に挫折、先代の社長が亡くなったことを機会に宇宙科学開発機構を辞し、家業の佃製作所の経営者になった。

こと、エンジンに関しては大企業をも凌ぐと言われる下町の中小企業に成長した佃製作所に襲いかかる災難は、突然の取引停止と、主力エンジンの特許侵害訴訟。

大企業の理不尽なやり方に翻弄される佃たちであったが、その優良な経営状況と高い技術力を高く評価する味方を得て窮地を脱する。

そんな折り、宇宙航空関係国内最大メーカーの帝国重工が 佃の持つ特許を買い取りたいと打診してきた。

諦めきれない夢と、生活の安定を望む社員たちの言葉に思い悩む佃。

過去にWOWOWでドラマ化されているらしいが、この面白さが引き出されているのか?

掛け値なしに面白い。(^O^)

2014年1月25日土曜日

第Ⅱ捜査官

安東能明。

高校で物理の教師をしていた経歴を持つ蒲田中央署刑事課組織犯罪対策係巡査部長の神村五郎。

この変わり者は、暴力団関係のあらゆる情報に精通しながらも潔癖で、並外れた捜査能力により難事件を解決に導くことで一目を置かれていた。

階級に無頓着な彼は、いつしか「第二捜査官」と呼ばれ、彼を擁した署長は、必ず出世すると言われていた。

入庁6年目の西尾美加は、神村の教え子であったのだが、何の因果か、今では同僚として働いている。

10月初旬のある日、被疑者の女性とともに取調室から忽然と姿を消した樽井警部補が、死体で発見される。

心中自殺という大方の見解に疑問を持った神村は、独自の人脈を駆使した秘匿の捜査で美加を振り回す。

いくつもの伏線が一つになる時、事件の真相が明らかになる。

練られたプロットが好感。
(^^)

2014年1月20日月曜日

阪急電車

有川浩。

阪急電鉄今津線。
宝塚駅から西宮北口駅までの車内で巻き起こるささやかな出来事。

出会や別れ、日常のひとコマを切り取り人情の機微に触れる有川のホッコリストーリー。

かみさんがDVDを借りてきたので、読了からの鑑賞。

中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子ら豪華キャストで映像化。

基本的には原作のテイストで、映画としてはよい出来だと思うんだが、なんせ、原作が良すぎ。
(^^;)

2014年1月19日日曜日

限界捜査

安東能明。

かつて軍都と呼ばれた赤羽に、戦後作られた大規模団地。

50年あまりが経ち、老朽化した団地に住む者は減少し、老人の一人住まいや空き部屋が目立つ建物も多い。

ある日、葵ヶ丘団地に住む小学一年生の女児が行方不明だと母親から通報が入る。

赤羽中央署生活安全課の疋田は、相棒の晩嬢こと小宮真子とともに母親から話を聴くが、要領を得ない回答に不審な思いを抱く。

身代金誘拐に発展した後、願いもむなしく死体で発見された女児だったが、解剖の結果は乳幼児突然死症候群の可能性がありというものであった。

難航する捜査と、副署長からの執拗な横槍に悩まされながらも、事件の真相に近づいていく疋田と小宮。

己の欲望のために、ペドファイルに娘を差し出す母親たち。

団地という生活圏で繰り広げられる アンダーグラウンドの異常な世界。

まあまあ。(^^;)

2014年1月11日土曜日

県庁おもてなし課

有川浩。

かつての高知県庁に、「パンダ誘致論」を唱え、結果、県庁を去ることになった伝説の県庁職員がいた。

日の目を見ることのなかった独創的な計画が、二十数年の時を越え、形を変えて始動する。

高知県庁観光部に新設された「おもてなし課」は、比較的若い職員で構成され、入庁三年目の掛水は、中でも一番の若手になる。

熱意はあるが、公務員としての意識を変えることのできない彼らが、どんな企画で高知県の観光を盛り上げていくのか。

観光特使を委嘱された地元出身で人気作家の吉門から、辛辣な言葉で責められながらも、一筋の光明を見いだしていく掛水。

掛水と共に、孤軍奮闘する臨時職員の明神。
彼女は、研ぎ澄まされた感性と民間感覚で、掛水たちをフォローする。

伝説の県庁職員と吉門に振り回される掛水たちが辿り着く先には、どんな未来が待ち受けているのか。

お役所を舞台に、彼らの成長物語であると同時に、二つのラブストーリーが展開される。

とっても有川らしく、ホッコリさせる展開。

錦戸亮と堀北真希主演で映画化もされている。
最近、有川作品は立て続けに映像化されており、三匹のおっさんも来週からドラマがスタート。
(^-^)

2014年1月7日火曜日

東京コンフィデンス・ゲーム

建倉圭介。

銀行マンの北岡靖史は、亡くなった母が購入した2千万円の仏像の代金を請求され、預金者の金を横領しようと企むが…

小心者の元銀行マンが、自らの命を掛けて20億円の企業買収詐欺を仕掛ける。

その企業は亡き父が開発した多次元データベースソフトで成長したのだが、開発終了と大口契約の直後に亡くなった父の足取りを探った靖史は、社長と取締役たちの言動に疑念を抱く。

スピード感は薄いが内容は濃いめ。
企業買収詐欺のプロセスは読み応え十分。
(^-^)

2014年1月2日木曜日

海の底

有川浩。

晴天の春の日、米軍横須賀基地では桜祭りが盛況に開催され、多くの市民が訪れていた。

潜水艦ふ頭に入港、停泊していたおやしお型潜水艦「きりしお」では、夏木と冬原の問題実習幹部コンビが、艦内で起こした騒動の懲罰として上陸禁止令をくらっていたのだが、予期せぬ出航命令がくだる。

謎の甲殻類、サガミ・レガリスに襲われた横須賀基地で逃げ惑う人々。

出航に失敗した夏木たちは、逃げ遅れた子供たちを潜水艦に避難させるが…

二人の海上自衛隊員と13人の子供たちが立てこもる潜水艦内で起きる様々な衝突。
問題を抱えた子供たちが、どんな変化を見せるのか。

人類が初めて遭遇した謎の生物との戦いの行方は。

ジェラルミン盾と催涙弾、後は己の肉体のみで戦い消耗していく機動隊。

事態を冷静に判断する警備警察の名将明石と幕僚団幹部の烏丸警視正が立てた計画は、自衛隊の軍事展開であった。

警察組織と自衛隊の葛藤、日本国内であっても介入が許されない米軍基地という特殊な立地。

特殊な状況を舞台に広がりを見せるストーリー。

SFも交えるが、物語の主軸はそこではない。

なかなか面白い。(^_^)