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2025年6月11日水曜日

首木の民

誉田哲也。

警視庁志村署刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係の係長である佐久間。3人の部下とはなかなかいい関係で仕事をしている。

その日の朝会で自動車警ら隊からの引き継ぎ事案を任された佐久間たちは、早速その被疑者から話しを聞こうとするのだが。

元財務官僚という経歴を持ち、大学教授である被疑者の久和からは、ありとあらゆる公務員を信用していないと宣言され、その理由を延々と聞かされることになるのだが、経済学の講義さながらのそれに、佐久間は翻弄される。

著書巻末の参考文献を見れば一目瞭然なのだが、昨今YouTubeで財務省の悪辣ぶりを配信している高橋洋一氏や三橋貴明氏、お亡くなりになってしまったが森永卓朗氏の著書がずらりと並ぶ。

やっぱり財務省は要らないわと誰もが思うよね。
はっきり言って面白い。
(^o^)

2025年2月16日日曜日

ジウⅩ

誉田哲也。

シリーズとしては10作目になるのかな。

三部作とそのシリーズは大体読んできたので、流れ的にもすんなりなのだが、ここは帯から引用。

生きながらにして臓器を摘出された死体が発見された。
東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、二ヶ月が経っても被害者の身元さえ割れずにいた。
一方、陣内陽一の店「エポ」に奇妙な客が集団で訪れた。
緊張感漂う店内で、歌舞伎町封鎖事件を起こした「新世界秩序」について女が話し始める。「いろいろな誤解が、あったと思うんです」…。

まだまだ続きそうな本シリーズ。
登場人物たちも年を重ねてきたが、今後の展開はどうなるのか。
(^^)

2025年1月27日月曜日

ジウⅢ 新世界秩序

誉田哲也。

シリーズ完結編。
Ⅰ、Ⅱは新装版を入手したのだが、本冊は古いもの。ま、内容はそんなに変わらないでしょう。

信用金庫立てこもり事件現場にジウの存在を認め駆けつけた東。

直後、建物からの爆発に巻き込まれ特殊班の警部が殉職。
本件ではSAT隊員7名もの死者と3名の重体重傷者を出した。

基子は再びSATに戻され、制圧班の班長となる。

SATの小野小隊長から極秘面会を求められた東は三咲と共に小野から基子の近況を聞かされる。

現職総理大臣の拉致と新宿が封鎖されるという前代未聞の事件が発生し、東たちは基子が同僚の警察官を射殺する映像に旋律する。

黒幕とジウ、そして基子と三咲たちの息をも吐かせぬ攻防、クライマックスは一気に訪れる。

ジウが事件を起こし続けたその思いとは。

警察小説は数あれど、これほどの背景を描きまとめあげた作品は見当たらないのでは?
すごい!
としか言いようがない。
(^-^)

2025年1月25日土曜日

ジウⅡ 警視庁特殊急襲部隊

誉田哲也。

一冊目に続き新たな局面に。

写真週刊誌に掲載されてしまった基子の記事。
あらゆる情報は秘匿されなければならない特殊部隊の隊員としては有り得ない状況であったが、その真意を知るところとなり、彼女は自らの特進と引き換えにSATを去る。

一方の三咲は、逮捕されたジウの共犯者から情報を引き出そうとするのだが、新世界秩序という謎の言葉を残したまま自殺されてしまう。

ジウが起こす連続事件と、その背後に潜む新たな権力者。

物語は一気に途轍もない方向に向かっていく。

誉田の筆はとどまることを知らない。
かなり驚きの展開。
(^^)

ジウⅠ 警視庁特殊班捜査係

誉田哲也。

著者の代表作の一つ。

これまであえて読まずにきたのだが、満を持してブックオフで全3巻を入手。

警視庁刑事部捜査第一課特殊班捜査係の門倉三咲と同僚の伊崎基子。

相反する性格の二人を主軸に物語は進行する。

たてこもり事件の現場に臨場した特殊班。
事件は解決したのだが、三咲はそこでの失態から碑文谷署へ異動となり、誘拐事件特別捜査本部の任に就く。

一方の基子は今までの活躍を認められ、警備部第一課特殊急襲部隊、通称SATへ引き抜かれた。

三咲がペアを組む東弘樹殺人犯三係主任は、この誘拐事件での禍根を胸に黙々と捜査に臨む。
三咲はこの孤独な上司に惹かれつつ、事件の首謀者であるジウという少年の犯罪心理に思いを馳せる。

いかにも誉田らしいストーリー展開。
このままで映像化は困難な気がするけれど、多部未華子、黒木メイサの主演ですでにドラマ化されているらしい。
機会が有ったら観てみたいかな。
(^-^)

2024年3月1日金曜日

吉原暗黒譚

 誉田哲也。

著者の作品としては珍しい時代小説なのだが、内容は他の作品に通じるものがある。

初出は2004年で、デビューから三作目とされている。

遊郭として賑わう吉原で、黒い狐の面を被った集団に花魁が殺される事件が続く。

北町奉行所の今村は、髪結いの彩音と共に、金目当てで狐面の族を成敗しようと画策するのだが。

緻密に張り巡らされた伏線と事件の真相に納得。

(^^)


2024年1月14日日曜日

ソウルケイジ

誉田哲也。

姫川玲子シリーズ第二弾。

少し古いのだが、ネットオフでまとめて何冊か購入した際、一緒に入手。

テレビドラマでもストーリーはかなり忠実に再現されていた記憶がある。

A在庁中の姫川たちに下されたコロシの帳場への臨場命令。

大田区西六郷の多摩川土手の放置車両から発見された成人男性のものと見られる左手首。

DNA鑑定の結果、工務店経営者の高岡のものであることが判明し、捜査に臨む玲子たちだったが、その過程で浮かび上がる過去の事故たち。

その複雑な真実に近づく彼等に救いはあるのか。

「ソウルケイジ」
そのまま「魂の檻」と「刑事の魂」の意味があるというのは、ネット上の評価なのだが、言い得て妙ではある。
(^^)

2023年11月21日火曜日

マリスアングル

誉田哲也。

姫川玲子シリーズ第十弾。

10月の新刊のため帯から引用。

塞がれた窓、防音壁、追加錠…
監禁目的の改築が施された民家で男性死体が発見された。
警視庁捜査一課殺人犯十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、現場は証拠が隠滅されていて糸口はない。
犯人はなんの目的で死体を放置したのか?
玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がってきて…

魚住久江が姫川玲子の部下として配属されて物語は新たなステージへ。

そして作中の言葉を借りれば、マリスアングルとは「悪意の捏造」。

全編を通して貫かれる悪意に玲子の心は乱される。

久し振りの姫川玲子。
誉田の作品は間違いない。
(^^)

2023年1月11日水曜日

妖の絆

誉田哲也。

紅鈴シリーズ第三弾にしてエピソード・ゼロ。

先月の新刊のため帯から引用。

人の血を啜り、闇から闇へと生きる絶世の美女・紅鈴が、江戸の世で出会ったひとりの少年、欣治。
吉原に母を奪われ、信じていた大人たちにも裏切られた。
そんな絶望の中でなお、懸命に生きる欣治との出会いが、孤独な闇を生きてきた紅鈴に思いがけない感情を芽生えさせる。
「こんな腐った世の中に、こんなにも清い魂があるものか。この汚れなき魂を、あたしは守りたい」
欣治を“鬼”にする…。
その、後戻りできない決断の先に待ち受ける運命とは!?
美しく、凶暴なまでに一途なダークヒロイン、ふたたび

紅鈴物語は終わりかと思っていたら、まさかの新刊!
本屋で見つけて早速読み始めたところ、一気に読み切ってしまった。

これ以上はさすがにないのだろうと思うのだが、別の物語も読んでみたくなる。
(^^)

2022年6月8日水曜日

春を嫌いになった理由

誉田哲也。

自称、語学堪能同時通訳者志望の26歳、秋川瑞希。

絶賛無職中の瑞希はテレビ局でプロデューサーをしている叔母から呼び出され、無理やり通訳の仕事を押し付けられる。

解決!超能力捜査班というスペシャル2時間番組に透視能力者として来日したマリア・エステラの通訳としてロケに同行した瑞希は、初めての現場でミイラ化した死体に遭遇するのだった。

誉田の得意なホラーサスペンスが複数の視点から交互に描き出される頻繁なカットバックで構成されているのだが、読みにくさはなくストーリーにのめり込める。

作品としては古いものの、感じさせない面白さ。
(^^)

2021年5月21日金曜日

オムニバス

誉田哲也。

姫川玲子シリーズ最新刊。

警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第十一係、玲子が率いる通称姫川班のメンバーが総出のまさにオムニバス。

新刊のため内容には触れず。(笑)

ただ、新たに姫川班に加わるらしい人物にはちょっとビックリ。

惜しむらくは、竹内結子演ずる姫川玲子はもう観られないということだなぁ。
(T^T)

2020年11月24日火曜日

背中の蜘蛛

誉田哲也。

しばらくご無沙汰だったが、久し振りに足を運んだ図書館の書架で発見。

ネタバレ注意のため双葉社の本の紹介から引用。

ついに、ここまできた――。
前人未到、孤高の警察小説が誕生した。
東京・池袋の路上で男の死体が発見された。
目撃者もなく捜査は難航、しかし「あること」がきっかけになり捜査が急転。
それから約半年後。東京・新木場で爆殺事件が発生。
こちらも捜査はなかなか進展しなかったが、「あること」が転換点となり容疑者が浮かぶ……。
捜査に携わる管理官を中心に、新時代の警察捜査を濃密に描く。
著者史上、もっとも尖った警察小説。

これは一気読み必至。
(^^)

2020年6月19日金曜日

妖の掟

誉田哲也。

5月に発売されたばかりの最新刊。

以前に読んだ「妖の華」の前日譚にあたる。

闇神と呼ばれる吸血一族の村から逃げ出した閣羅が血分けをしたただ一人の女、紅鈴。

その紅鈴がただ一人血分けをした男、欣治。

紅鈴と欣治は200年もの間二人だけで生き抜いてきた。

二人はある時、ヤクザ者から袋叩きに会っている圭一を彼らから救い出す。

これをきっかけに、奇妙な共同生活を始めた三人は、ヤクザ同士の抗争から三人の組長殺人を請け負うことになる。

ネタバレのため内容にはあまり触れないが、著者のデビュー作である「妖の華」にガッツリ繋がるのでこちらも併せて読むのがオススメ。

発売直後から図書館の予約を入れていたら待ち時間少な目で読むことができた。
(^-^)


2020年5月20日水曜日

妖の花

誉田哲也。

著者のデビュー作の復刊。

元版の「ダークサイド・エンジェル 紅鈴 妖の華」は第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞作である。

警視庁目白警察署管内で発見された男性の変死体。

遺体の喉元に残る楕円形の傷跡は大型の野獣の牙で食いちぎられたものとみられたが、周辺にはほとんど血痕が見当たらない。

捜査にあたる富岡はかつての後輩で嫌われ者の刑事、井岡と遭遇する。

井岡は意味深な言葉を呟き富岡の前から去って行った。

その頃、工事現場に連れ込まれヤクザ者に殺されかかっていたヒモのヨシキは、紅鈴と名乗るとびきりの美女に命を救われる。

警察小説ぽさもありながら、紅鈴は400年を生きる闇神と言われる吸血一族の末裔という伝奇小説でもあるなかなかのストーリー。

そして、登場人物には監察医の國奥定之助や嫌われ刑事の井岡博満など、姫川シリーズの顔ぶれが並ぶ。

デビュー作とは思えない著者の力量を感じる一作。

この続編にあたるらしい「妖の掟」が先週発売になっているので、そちらも読みたいところ。
(^-^)

2020年2月1日土曜日

歌舞伎町ゲノム

誉田哲也。

ジウサーガシリーズ第九弾にして最新刊。

歌舞伎町セブンの日常とその仕事振りが描かれる中編5作。

7人全員が賛成しなければ始末には動けないセブンが6人になってからふた月が経ち、メンバーをどうするのかは喫緊の課題となっていた。

歌舞伎町で一仕事を終えたジロウは道すがらヤクザ者に絡まれるスーツ姿の若者を助けることになる。

ヤクザの親分でセブンの仲間でもある市村と一緒に話を聞いたジロウは若者の切なる願いをセブンで引き受けると決めるのだった。

法では裁けず看過できない悪人たちに制裁を加えるセブン。
ターゲットを徹底的に調べ上げた結果、与える裁きは無罪か死刑かの二つしかない。

新たなメンバーが加わり、セブンの闇の仕事が静かに実行される。

メンバーたちの秘密が少しずつ明らかになり、登場人物たちに血が通いだした。
(^-^)


2019年4月10日水曜日

ボーダレス

誉田哲也。
夏休み中の登校日、高校生の奈緒はクラスメートだがほとんど喋ったことのない希莉がノートに書き続ける何かに興味を抱く。
偶然二人きりになった奈緒は何を書いているのか問いただすと、希莉はミステリー小説だと答えた。
森の中を裸足で逃げ惑う盲目の妹とそれを支える姉、家族で経営するカフェの店員として働く音楽を諦めた姉と自由な妹、別荘に籠もる病弱な読書家と想いを寄せる大人の女性。
4つのストーリーがどう絡み合っていくのか。
誉田にしては珍しい文体だったが、話としてはちゃんと収束する。
(^^)



2018年2月18日日曜日

増山超能力師大戦争

誉田哲也。

増山超能力師事務所シリーズ第2弾。

一級超能力師で増山超能力師事務所所長、日本超能力師協会東京支部城北ブロック長を務める増山圭太郎。

訳ありの超能力者である妻、文乃と一人娘のアリスとの生活を送りながら、事務所のナンバー2、悦子とは長らく愛人関係にある。

あれ?前作はこんなシリアスな内容だったかな、と感じたが、今回の話は全編にわたりハードな内容。

このあたりは誉田作品なんだと痛感。

この続きは期待度が大。
(^o^)

2018年1月10日水曜日

ノーマンズランド

誉田哲也。

姫川玲子シリーズ。
新刊のため、オフィシャルな部分から引用。

またしても同僚の殉職を経験し、心身に疲弊の残る姫川玲子が入ったのは、葛飾署管内で起こった若い女性の殺人事件捜査本部。

心機一転、捜査に集中する玲子だったが、すぐに行き詰まってしまう。

有力な被疑者がすでに別の所轄に逮捕されており、情報が流れてこないのだ。

玲子は、あらゆる伝手をたどり、事件の全体像を探りはじめるが……。

「ここは、地獄か?」「ああ……地獄だ」
幾重にも隠蔽された事件の背後には、絶望的な捜索を続けている、孤独な背中があった。


「No Man's Land」
軍事的には、敵味方両軍が対峙してこう着状態にある塹壕のあいだを言い、どの勢力からも占有されていない土地のことで、無人地帯、中間地帯ともいう。

他にも、何人も立ち入ってはいけない場所の意味で使われることもあるらしい。

ストーリー的には、この後者の方がしっくりくるのかも。

新たな登場人物も増え、益々目が離せない。
(^o^)

2017年9月7日木曜日

硝子の太陽Nノワール

誉田哲也。

ジウ・歌舞伎町セブンシリーズ。

都内で頻繁に行われる反米軍基地デモ。

その発端は普天間基地の近くで市民運動家の老人が米憲兵隊車両にはねられ死亡したといわれる事故の瞬間を写した写真がネット上で広まったことによる。

新宿署刑事課強行犯捜査第一係の東は、警備課が逮捕してしまった左翼運動家の矢吹近江の取り調べを署長から押し付けられる。

物語はいくつもの伏線により複雑に絡み合い、同時刊行のルージュともリンクする誉田の緻密な作品作りは流石。
(^-^)

2017年4月11日火曜日

硝子の太陽Rルージュ

誉田哲也。

姫川玲子シリーズ。

祖師谷で起きた地下アイドル一家の殺人事件。
父親を除く一家三人が殺害されたその残虐な手口と犯人の行動は常軌を逸したものだった。

警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第十一係の主任として戻った玲子は、この混成部隊さながらの特捜本部で進展しない捜査に向き合っていた。

かつて姫川班の巡査部長だった菊田は主任に昇任し、姫川と同じ十一係に配属され、この現場でも姫川をサポートしている。

新しい部下たちに囲まれた姫川を優しく見守る統括主任の林は、上司から姫川を代々木で発生したフリーライター殺人の特捜本部へ転出させるよう命を受ける。

複雑に絡み合った事件と捜査員たちの駆け引きに玲子はどう立ち向かう。

死神と呼ばれる玲子を待つ運命は。

ドギツイ描写は誉田のカラー。
伏線は周到で最後まで気が抜けない。

同時刊行のノワールはどんな感じか?
(^^)