2013年12月29日日曜日

経済特区自由村

黒野伸一。

不遇な中学、高校生活を送り、若くして世間の荒波に揉まれた天才少年は、ファーストフードチェーンで成功し、日本一の金持ちになった。
しかし、そこで出される食材は、抗生物質だらけの餌を大量に与えられた異様な鶏などであった。

脱マネーと自給自足の生活を実践しながら、環境保護や循環型社会を目指す人里から離れた神山田村。
全ての住民が土地を離れた後の村に単身住み着いた若者。
彼が築こうとしている理想郷は、様々な境遇を持つ入植者たちにより、少しずつ歪められていく。

格闘家として有名な岬洋子は、生計を維持するためのスポーツインストラクターの仕事で知り合った有閑マダムから依頼を受け、神山田村のFEEコミュニティーに潜入するが…

想像を超えたストーリー展開。
伏線の張り具合も絶妙。
(^^)

2013年12月28日土曜日

サイバー・コマンドー

福田和代。

新刊のため、ネタバレ注意。
以下は本書のPRHPより引用。ご勘弁。

使命はサイバー戦争から日本の平和を守ること

2014年、防衛省に《サイバー防衛隊》が設置された。
ネットワークを介したあらゆるテロに対処する、官民の精鋭を集めた組織だ。
通称サイバー・コマンドー。
民間からは若き天才ハッカーの明神海斗と、米セキュリティ企業出身の出原しのぶが参加した

海斗たちが悪辣ロシア人ハッカーの捜査を進めていた時だった。
全国で通信障害が多発し、もの作り日本を支える各地の工場では原因不明の稼働率低下が発覚した。
海斗は真相解明のため、急遽、浜松の自動車工場へ向かうが、駅のホームに降り立った直後、後続の新幹線が突如暴走し大破する。
惨劇は鉄道だけではなかった。

信号、電話…あらゆるライフラインが海斗の目の前で崩壊していった。サイバー攻撃が始まったのだ。

誰が? 何の目的で? 

衝撃のラストに戦慄する超弩級エンターテインメント

福田らしく緻密な近未来の戦争の姿を描く。
(^^)

2013年12月24日火曜日

オレンジモンスター

2007年に購入したSEIKOのダイバーズウォッチ。

それまで使っていた同じSEIKOのクロノグラフが、数度のオーバーホールの末、ついに修理不可能になってしまったことから買い替えたもの。

海外輸出モデルの自動巻きで、その名のとおり、文字盤が鮮やかなオレンジ。
モンスターシリーズのごつい筐体に本格200メートル防水。

そんな環境で使う訳ないのだが、日常防水では何とも心許ないので、コイツは安心。

ここ数ヶ月で、1日に1分以上平気で遅れる様になり、毎朝時計を合わせていたのだが、これではいかんとオーバーホールに出していたのが戻ってきた。

しばらく使ってみたが、時間の狂いは嘘のように無くなり非常に快適。

海外輸出モデルでもしっかりアフターサービスが受けられるのはとてもありがたい。
整備料金は送料込みで一万円ちょっと。

既に次期モデルがお目見えしているオレンジモンスターだが、まだまだ現役で頑張ってもらう。
(^_^)b

2013年12月22日日曜日

処断〜潜入捜査〜

今野敏。

環境犯罪研究所に勤める佐伯。
彼は、元警視庁刑事部捜査四課のマル暴刑事で、現在は環境庁の外郭団体であるこの研究所に出向していた。

頑なに暴力団を嫌う所長の内村は、千葉県の小さな漁港で起きた若い漁師の事故死と、岐阜県東濃地方の山中で行われているカスミ網による密猟の関係に考えを巡らす。

内村の命を受けた佐伯は、エコ・フォースと名乗る環境団体と共に山中に潜入するが、そこには凶暴な暴力団の代貸、乾の姿が…

佐伯の過去は明かされないため、二人の美女との関係は見えてこないのだが、このシリーズって他の作品もあるのかな?

ハードボイルドテイストだが、すんなり読めてしまうかな。
(^^)

2013年12月20日金曜日

世界でいちばん長い写真

誉田哲也。

中学三年生、写真部所属、超がつく綺麗な従姉に可愛がられている少年、宏伸。

幼なじみの洋輔が引っ越してしまい、消沈の日々を過ごす彼が、ある日出会ったmamiya6×7の改造カメラ。

それは、宏伸の学生生活を激変させるグレート・マミヤだった。

大人しくて目立たない少年、綺麗なのにオヤジ化したお姉さん、元気なクラスメートと、可憐な学年のマドンナ、親友と、いじめっ子に、破天荒な爺さん…という、いかにも的な素晴らしいキャスト。

ほのぼのな中にも、銀塩カメラという無骨な機械をあしらった青春ストーリー。

誉田の多才振りが伺える。
(^O^)

2013年12月19日木曜日

オメガ 警察庁諜報課

濱 嘉之。

極秘裏に組織された国防の要。
警察庁諜報課、通称Ωオメガ。

高度なインテリジェンス活動をミッションとする特殊な組織は、精鋭の捜査官を擁しイリーガルな作業をこなす。

北京支局香港分室に籍を置く、美貌の持ち主、榊冴子。
彼女に与えられたミッションは、北朝鮮から密輸された麻薬の精製工場の把握と殲滅。

時を同じくして、北朝鮮側への攻撃を仕掛ける土田。

更に、中国サイバー軍中枢部を探る岡林。

一つのミスが取り返しのつかない事態を招く過酷な作業に、それぞれの思いを抱えて臨むエージェントたち。

鮮烈な冴子のデビュー戦を描く新シリーズ。
まぁ、ベタではあるがそれなり。
(^^)

2013年12月11日水曜日

疾風ロンド

東野圭吾。

「白銀ジャック」に続くいきなり文庫。
そして、これまたスキー場が舞台となる大活劇の長編ミステリー。

大学の医科学研究所から盗み出された生物兵器。
犯人は、それをスキー場のどこかに隠し、研究所の所長に脅迫メールを送った後で事故死してしまう。

僅かな手掛かりを頼りに捜索に臨む研究員とその息子。

タイムリミットが迫る中、様々な登場人物と、彼らの心の描写が織りなす人間模様にホロリ。

そしてダイナミックなアクションシーンと、圧倒的な描写力に、読み手の気持ちを高ぶらせること必至。
!(^^)!

2013年12月2日月曜日

祈りの幕が下りる時

東野圭吾。

加賀恭一郎シリーズ書き下ろし最新作。

加賀が幼い頃に家を出た母。

彼女が仙台で亡くなったと連絡を受け、遺骨を受け取った加賀は、自分の連絡先がどうして知れたのか疑問を抱きつつ、その謎を追い続けていた。

加賀の従兄弟で警視庁捜査一課の松宮は、小菅のアパートで見つかった他殺死体の捜査に臨むが、捜査は難航。

走査線に浮かぶ人物を繋ぐ母の影に加賀は何を想うのか。

日本橋に拘る加賀の謎が氷解するが、ネタバレ注意のためこの辺で。
(^^;)