2016年4月29日金曜日

神様のカルテ0

夏川草介。

一止と榛名の原点を描いた短編4作品。

松本を舞台に医学生時代の一止とその仲間たちの姿を描く「有明」。

物語の舞台となる本庄病院が数多の問題を抱えながらも救急病院へとして地域医療の砦となっていく「彼岸過ぎまで」。

一止が研修医として初めて癌患者と向き合う「神様のカルテ」。

一止のよきパートナー、榛名の強さと優しさの秘密を切り取った「冬山記」。

第五弾が待ち遠しい。
(^-^)

まとめ買い

図書館が休みだったのと、新しめの作品が読みたくて丸善まで足を延ばした。

あれもこれも欲しくなってしまうが、とりあえず5冊にしぼって購入。
(^^)

2016年4月27日水曜日

リバース

相場英雄。

詐欺や横領事件を捜査する警視庁捜査第二課第三知能犯係、通称三知。

かつて三知のメンバーだった西澤は、三知が犯したミスの見せしめとして目白署刑事課に異動させられたのだが、三知の失地回復のため知能犯の検挙に力を入れる。

福島県の原発事故で疲弊した東北で繰り返される被災地支援詐欺を端緒に、大きな贈収賄事件の鍵を見つけた真藤は、病に犯されながらも、旧三知のメンバーを集め最期の事件に取り掛かる。

福島県南相馬市や飯舘村の描写があるのだが、以前復興支援で行った場所でもあり、その時のことが思い出される。

シリーズ第3弾も西澤が主役級ではあるが真藤をはじめ小堀や清野、大岩が脇を固め、一恵も華を添えるなど役者は揃い踏み。

刑事モノというだけではない、相場の筆力に脱帽。
(^-^)

2016年4月13日水曜日

ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊K−9

樋口明雄。

南アルプス山岳救助隊シリーズ第3弾。

悪天候にみまわれた南アルプス。

元自衛官の鷲尾率いるテロ集団が北岳へ向かう玄関口である広河原へとつながる全ての道路を爆破・封鎖したうえ、陸上自衛隊化学学校から強奪したVXガスと小型巡航ミサイルを携えて北岳山荘を占拠した。

偶然山荘の外にいたため捕まらなかった山荘スタッフの松戸は、テロリストたちの動向を探るために単独行動を取る。

テロリストからの要求に屈するつもりのない政府は、1,300万人の都民の命と北岳山荘に捕らわれた者たちを天秤に掛ける。

松戸からの連絡により事態を把握した山岳救助隊の夏実たちは、松戸の救助という名目の下決死の覚悟で北岳山荘を目指す。

鷲尾の要求内容は、政府が隠した自衛隊の平和維持活動中のゲリラ攻撃による自衛官の戦死事実と、福島第一原発事故の救助活動中に爆発に巻き込まれて亡くなった自衛官の存在を公式に認めることであった。

現場で命を落とす自衛隊員に関心を寄せず、安全な場所で指示を出すだけで一切の責任をとらない政治家。
そして、その事実を国民に知らすことをしない愚行への鷲尾なりの警告であった。

時事ネタを盛り込むメッセージ性の強いストーリーに怒涛の展開が加わりシリーズ3作目はかなりハードだが、面白さも折り紙付き。
(^0^)