2013年2月28日木曜日

夜の国のクーパー

伊坂幸太郎。

クーパーと呼ばれる謎の敵を倒すために、小国から選抜される兵士たち。
その戦いは随分と長い間続いていた。

クーパーを倒す方法は確立されているのだが、クーパーの返り血ならぬ返り水を浴びた兵士たちは、皆、透明になってしまい二度と国へ帰ってくることはない。

そんな小国に、鉄国と呼ばれる敵対国から兵士たちがやってくる。鉄国の兵長は戦争の結果、小国を支配したと告げる。

小国の人々とそこに住まう小動物たちの、穏やかであった生活が一変する。

伊坂自身が影響されたという、同時代ゲームは読んだことがないのだが、一見ファンタジーのようでありながら、哲学的な国家論を展開する伊坂書き下ろし長編作品。

2013年2月23日土曜日

シーズンイン

本日は、4時起きで息子たちの名古屋遠征。

marbleも初グラウンドで球審と三塁審の二試合担当。

長野県と違って通年グラウンドが使えるのは魅力的。

結果はアレですが、初グラウンド、初試合としてはまずまずの出来だったかな。
(^_^;)

2013年2月22日金曜日

痛み

「見ざる、書かざる、言わざる」貫井徳郎。
「シザーズ」福田和代。
「三十九番」誉田哲也。

人気作家の中編小説三本が一冊に。

どういう意図でこの本が企画されたのかは分からないが、思わず手がのびた。

貫井の強烈な描写に一瞬怯んでしまったが、社会的な背景をテーマに捉えた視点はなかなか。
若干リアリティに欠ける部分は、日本人への警鐘と思えば受け流せられる。

まぁまぁかな。(^_^;)

2013年2月18日月曜日

パイレーツ 掠奪海域

マイクル・クライトン。

クライトンの死後、故人のMacからほぼ完成状態で発見された未発表長編作。

17世紀のカリブ海、ジャマイカ島の港町ポート・ロイヤル。

ジャマイカ総督公認の掠奪者である私掠者のハンター船長は、スペイン領のマタンセロス島に停泊しているという財宝船を狙う。

難攻不落の要塞島には残虐さで名を馳せるカサーリャ指令官が待ち構える。

ハーバード大学を卒業したというハンターが立てた侵攻作戦は吉と出るのか。

ここまででやっと折り返し。
この後の展開がどうなるのかは読後のお楽しみ。

クライトンのエンターテイメント性は題材を選ばないねぇ。
(^O^)

2013年2月14日木曜日

スクウェア

福田和代。

梅田のお初天神通りから横道に入ると、その暗がりがある。

狭くて臭くて汚くて、店と言えばショットバーとゲイバーと焼鳥屋の三軒だけ。

デッドエンドストリートと呼ばれる、陽も射さない袋小路だ。

雨の日にはじゅくじゅくとぬかるむ、でこぼこの路地を行くと、看板に「スクウェア」という文字が、どうにか読みとれるはずだ。

そこに奴らがいる。

重い、木の扉を押し開けると…

2013年2月11日月曜日

ナミヤ雑貨店の奇跡

東野圭吾。

図書館に予約してから半年ほどかかり、ようやく借りられた。

悩み事の相談にのってくれる雑貨店の爺さん。
噂が拡がりいつしか大勢の人たちが雑貨店に相談を持ち掛ける。

一風変わっているのは、閉店後のシャッターの窓に相談を投函し、回答は裏口にある牛乳箱で受け取るというもの。

この相談は店主の爺さんが亡くなった三十三年前まで行われていた。

爺さんの遺言状には三十三年後に相談窓口が復活するという謎の言葉が残されていた。

ある晩、雑貨店に忍び込んだ三人の若者は、不思議な光景を目にする。

爺さんの不思議な力の源と三人の若者を結びつける数奇な運命とは。

ほのぼのミステリー。(^_^)

2013年2月8日金曜日

ヒポクラテスのため息

福田和代。

システムエンジニア兼営業マンとしてインドで開発会社の提携先を探していた翔は帰国と同時に失業してしまう。

父の急死によりその後を継ぐ形で病院の理事職に就くことになった翔。

彼を暖かく見守ってくれる人たちの助けを受け、潰れかかった病院を立て直すための奮闘が始まる。

福田らしからぬほのぼのさが新鮮。

marble的には近々のハッピーエンドでもよかったかな。
(^O^)

2013年2月7日木曜日

マイクロ・ワールド(下)

マイクル・クライトン。

マイクロヒューマンにされ、ジャングルからの脱出を図る大学院生たちは、無慈悲な自然とCEOが送り込んだ刺客たちにより次々と殺されていく。

一方、続発する不審な事件を追うダン警部補は、Nanigen社への警戒を強める。

魅力的な自然界や昆虫たちの描写と息をも尽かせぬアクションシーン。

エンターテイメントSF小説の雄。
クライトン最後の小説が形となった奇跡に感謝するとともに、冥福を祈るものである。

2013年2月4日月曜日

マイクロワールド(上)

マイクル・クライトン。

2008年に亡くなったクライトン。彼の死後にパソコンから発見された未完の遺稿。
サイエンス・ライターのリチャード・プレストンが書き継ぐクライトン最後の傑作。

生物学を専攻し先端研究に勤しむ7人の大学院生。
彼らは新薬開発を行うベンチャー企業に誘われハワイの研究所までやってきた。

兄の殺された理由を探るピーターたちは、CEOのドレイクの罠にはまり、身長2センチ足らずのマイクロヒューマンにされ、昆虫や小生物が蠢く恐怖の密林に迷い込む。

それぞれの専門知識を活かしてサバイバルを続ける彼らの運命は…
下巻につづく。
(≧∇≦)

2013年2月3日日曜日

プラチナデータ

東野圭吾。

2010年に購入。
その時は映像化したら面白いと思うのと同時にその難しさを感じた。

二宮和也主演で3月16日からロードショーだというので読み返してみた。

映画化にあたりどの様な演出があるのか興味が湧くところではある。

やっぱり東野は面白い。(^O^)

2013年2月2日土曜日

宇宙へ

福田和代。

近い未来、宇宙エレベーターが実用化され、幼い頃から宇宙飛行士を夢見ていた拓海は、そのメンテナンスマンとして働き始める。

エレベーターの実用化は、それまでの主流であったロケット産業界を敵に回し、テロリストまでが現れる事態に。

地上から三万六千キロメートル離れた静止軌道上のステーションで繰り広げられるメンテナンスマンたちの闘い。

科学技術の進展と宇宙へのロマンが融合されたリアルな世界観。

福田お得意の緻密な取材と専門知識に裏付けられたサイエンスサスペンス。
( ̄▽ ̄)