2018年9月1日土曜日

波濤の城

五十嵐貴久。

女性消防士・神谷夏美シリーズ第二弾。

またまたリサーチ不足で第一弾を読まずに図書館で借りてきてしまった。

が、しかし、単品としても十分楽しめるパニック小説。

全長300メートル、乗客数1,500名を誇る11階建ての豪華巨大クルーズ船メモリア・オブ・レインボー号。

4泊5日、神戸発博多経由韓国釜山クルーズツアーに出航した白亜の城に乗り合わせた銀座第一消防署に勤務する夏美とバディの雅代。

一見豪華に見えるクルーズ船だが、運航会社の経営状態の悪化による人員削減は限界を超えていた。

会社の圧力、政治的な思惑、そして自身の保身のために大型台風の近づく中出航を決断した船長の山野辺は、大型船の安全神話を振りかざし判断ミスを重ねていく。

逃げ場のない海上で起こる船舶事故の恐怖や極限状態の人間模様を様々な角度から描いた重厚な作品。

五十嵐は面白めな作品ばかり読んできたが、こんなシリアスでリアリティのある作品もいい。
(^-^*)

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