2014年3月11日火曜日

ローカル線で行こう!

真保裕一。

廃線間近のローカル線。

東北新幹線のアテンダント、ナンバーワンの名を欲しいままにした亜佐美が赤字まみれのローカル線の社長を引き受ける。

同じく、県庁から第三セクターの鉄道会社出向を命じられた鵜澤は、本庁に返り咲くための手はずを整えながら、赤字路線再建のために身を粉にする。

地域の熱意に支えられながら、赤字解消のためにその身を削る亜佐美と鵜澤。

いつしか、その思いは全職員の心に響くのだが、何者かによる妨害工作に鉄路存続の危機を迎えることに。

水面下で動く利権欲しさの役人や、復讐に燃える青年を伏線に添えて、ほのぼのした雰囲気に紛れた傑作が世に放たれた。

真保、こんな路線もありか!?と思わせるこの物語は、ベタだけど面白い。
(^-^)

2014年3月6日木曜日

欠落

今野敏。

以前読んだ「同期」の続編。

警視庁捜査一課殺人犯捜査第五係の宇田川。

特殊犯捜査第一係、通称SITに配属となった大石陽子。

そして、公安部公安総務係配属後に突然懲戒免職になった蘇我。

初任科で同期だった三人は、それぞれの道を歩んでいたのだが、陽子が世田谷区で発生した立てこもり事件の人質になってしまう。

時を同じくして、多摩川で発見された身元不明女性の死体遺棄事件の捜査に臨む宇田川に、音信不通だった蘇我から連絡が入る。

本人は自覚していないが、勘のいい宇田川は、二つの事件に共通する何かを感じ取る。

手掛かりの掴めないそれぞれの捜査の裏に公安のオペレーションが存在し、振り回される捜査員たち。

国、組織同士の軋轢を背景に刑事魂を描く今野の得意分野。
(^^)

2014年3月2日日曜日

綾香

黒野伸一。

死期が近づいた人の背後に現れる黒い影。
暗闇に吸い込まれる様にその闇は大きくなり、死の直前には、亡くなる時の様子が鮮明な画像となって現れる。

そんな特殊な能力を身に付けてしまった綾香。

死の意味を考えた続けた彼女は、死期が近づいた人に寄り添いながら、最期の瞬間に立ち会い続ける。

自らも辛い過去を持ちながら、幼い子供の運命を変えるために大胆な行動に出る綾香。

兄の死の真相に綾香が係わっていると疑念を持つ警視庁捜査一課の黒木は、単独で綾香を追い続けていたのだが…

まぁ、こういうジャンルもありではあるが、もひとつひねりが欲しかったかな。 (^-^;

2014年2月27日木曜日

潜航せよ

福田和代。

前作「迎撃せよ」で、ミサイルを積んだF-2戦闘機を奪ったテロリストと命懸けで戦った安濃。

自らもテロリストの一味と疑われた安濃だったが、その疑いは晴れ、再び航空自衛隊員として硫黄島に勤務していた。

三年が経ち、海栗島分屯基地への異動が発令され、単身赴いた安濃に待ち受けるテロリストの罠。

伏線として、中国の最新原子力潜水艦がテロリストに乗っ取られ、その艦長の実弟が安濃の命を狙う。

全ては「迎撃せよ」から続くイ・ソンミョクという工作員の策謀であった。

次作を匂わせる安濃への命令と、イ・ソンミョクの動向。

楽しみな展開。
(^-^)

2014年2月18日火曜日

鋼の綻び

相場英雄。

序盤には出てこないのでネタばれ注意。

新宿歌舞伎町の韓国クラブで起きた暴力団幹部刺殺事件。

時を同じくして、政財界のVIPが通うゴールデン街のバーのママが首を吊る事件が起こる。

経済ヤクザがからみ、もつれる捜査。

一国の首相のたった一言をもぎ取りたい犯人の思いは、忘れられない記憶を手繰る。

日本国民の生活を守るという政府の軽々しい判断に翻弄された人々を、心から救いだそうとする影の存在。

故郷に帰りたいという思いを打ち砕く日本のトップのくだらない見栄と浅はかな思考能力。

ここら辺を炙り出させる相場の筆力はホンモノ。
(^-^)

2014年2月9日日曜日

秒奪 交通管制システムに侵入せよ!

管野ひろし。

都内で同時に起きた現金輸送車襲撃事件。

これにより都内の交通はマヒしてしまうのだが、事件により渋滞が始まったのではなく、意図的に渋滞を発生させた何者かがいると予見した公安出身の交通管制官。

彼は、事件の真相を確かめるため、交通管制システムの納入業者に秘匿の作業を依頼する。

交通管制システム、天才エンジニア、家族や夫婦の問題など、小説のネタとしては、面白いモノを取り込んでいる。

管野は、この作品がデビュー作。
まとまり感はほどほどで、marble的には、もう少し。
( -.-)

2014年2月5日水曜日

インポーターステッカー

既に製造されていないということで入手困難なFiatのインポーターステッカー。

経年劣化でボロボロになっていたのを見かねて、あり合わせのシートで自作したのが10月のこと。

その時の保護用透明シートは、ストックからテキトーに選んだのだが、冬場の凍結融解で簡単に剥がれてしまい、水分と紫外線で退色が進んでしまった。

今回は、保護シートとセットになったものを新規購入してみたが、はてさて。

サイズも一回り小さくして、よりオリジナルに近づけてみた。
透過じゃないけど、外からはスモークのおかげで気にならないからよし。(爆)
( ̄∇ ̄)

2014年2月2日日曜日

ラブコメ今昔

有川浩。

表題作を含む、自衛官の恋愛を描いた短編6作品。

「空飛ぶ広報室」で航空自衛隊広報室を舞台にした人間模様と自衛官の恋愛を爽やかに描いた著者の、空飛ぶ以前の作品。

有川自身があとがきで述べているとおり、「かなりこっぱずかしい胸キュン」に仕上がっている。

素晴らしいのは、それぞれの胸キュンストーリーの中に、国家を守る自衛官の想いや姿勢が散りばめられていること。

SF・ミリタリーとベタ甘恋愛の絡め手は、有川の独壇場。
(*^o^*)

2014年2月1日土曜日

下町ロケット(ドラマ版)

2011年WOWOWにてドラマ化。

原作が最高だったので、動画を検索して発見。

三上博史、渡部篤郎らを据えて、かなりしっかり作り込んでいる。

原作と違う部分は新たな展開で、これまたいい出来。

marble的には120点。
(^_^)b

共震

相場英雄。

嘘をはるかに凌駕した圧倒的な現実。

ミステリー作家が放つ、震災後の被災地の現実をつぶさに描写した意欲作。

著者自らが東北沿岸一帯で見聞きした経験をふんだんに活かしたリアリティがすごい。

ある仮設住宅で県庁震災復興企画部の特命課長が毒殺死体で発見される。

県警は、同僚で総務省から出向しているキャリアを重要参考人として事情聴取するのだが、曖昧な供述しか得られない。

警視庁刑事部捜査二課管理官兼広域知能犯撲滅本部担当官である田名部と、旧知の仲である大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢は、それぞれのスタンスで事件の真相を追う。

そこには、東北復興に紛れて蠢く悪意があった。

フィクションであることを忘れさせる数々の場面がこの作品の持ち味。
( ̄∇ ̄)