2013年8月17日土曜日

64

横山秀夫。

このミステリーがすごい!2013年版で堂々の一位。

D県警広報室、広報官の任に就く元刑事の三上警視。

匿名報道を巡る記者クラブとの対立の最中、警察庁長官の視察が決まり、被害者遺族への面会を取り付けるために動く三上。

未解決のままD県警の汚点ともなった、この幼女誘拐殺人事件は、7日間で終わった昭和64年に起きた。
以降、64はこの事件を指す県警の隠語となる。

当時、捜査一課特殊班捜査係でこの事件の直近追尾を任されていた三上にも、忘れられない痛みであった。

刑事部と警務部、疑心暗鬼の攻防と対立が激化していく中で暗躍する警務課調査官エースと呼ばれる二渡との確執。

家庭では一人娘が失踪、家庭崩壊の危機に直面しながらも、広報室を守るために孤独な戦いを続けていく。

長官視察が前日に迫ったその日、64事件を模倣するかの様な誘拐事件が発生。
激化する報道陣の対応に振り回された三上が取った捨て身の行動。

64を追い続けた陰の刑事部長の執念が捉えた犯人の姿。

警察小説の雄が7年間の沈黙を破り上梓した傑作。
(≧▽≦)

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