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2026年1月2日金曜日

この夏の星を見る

辻村深月。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、休校措置がとられたり登校日が限られてしまった学生たち。

茨城県立砂浦第三高校の二年生になった天文部の渓本亜紗たちの活動もまた厳しい制限の中、やりたい事が出来ずにいた。

東京都渋谷区立ひばり森中学校に通う安藤真宙は、男子生徒が真宙ただ一人という状況の中、理科部に入部する。

長崎県五島列島で旅館業を営む家庭に育った佐々野円は、長崎県立泉水高校の吹奏楽部に所属していたが、旅館を営む家の事情から友人たちに距離を置かれてしまう。
そんな時、留学してきていたクラスメイトの武藤柊から天文台に誘われる。

リアルな活動に制限が掛けられている中、彼らはオンラインでつながり、一つの目標に向かって動き出す。

それは、スターキャッチコンテストと呼ばれる、手作りの望遠鏡を使って星を観測するというものだった。

これを主軸に繰り広げられる青春群像劇。

昨年7月には本作原作の映画が公開されたのだそう。
そちらは観ていないけれど、きっといい映画になっていることだろう。

辻村らしいストーリーに没入間違いない。


2025年2月22日土曜日

名前探しの放課後

辻村深月。

ブックオフで何気に買ったのが下巻だったので、慌てて上巻を入手。

約3ヶ月のタイムスリップをして過去に戻ってしまった依田いつか。

いつかは、同郷でクラスメートである坂崎あすかに、その事実を告げる。
「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」という言葉と一緒に。

辻村らしい学園、青春、ミステリーてんこ盛り。

時代が少し古いのはご愛嬌だが、最後までハラハラさせるいいストーリー。
(^-^)

2024年5月15日水曜日

クローバーナイト

辻村深月。

知り合いの会計事務所で働く公認会計士の裕。
同い年の妻である志保は個人経営者としてたまにメディアにも取りあげられる。
そして、保育園に通うおしゃまな長女とマイペースの長男。
4人家族を四つ葉のクローバーに見立て、それを守る騎士が裕の役割なのだ。

保育園で巻き起こる日常の波風は、当事者にしか分からない特別な世界の出来事。

裕たち家族に降りかかる様々な難題をナイトはどう解決するのか。

ほんわかとした雰囲気の中、社会問題を絡ませ辻村の筆が走る中編連作5作品。

やっぱりミステリー仕立てなあたりが素晴らしい。
(^^)

2022年4月17日日曜日

レジェンドアニメ!

辻村深月。

2015年の本屋大賞で3位を受賞した「ハケンアニメ!」のサイドストーリー。

本編の「ハケンアニメ!」はこの5月に映画化されるのだそうな。

本編のストーリーはうろ覚えなのだが、スピンオフの本作も十分楽しめる。

アニメ業界で働く彼ら彼女らの夢や情熱がほとばしる辻村の最新刊。

春作業で忙しくなってきたのでなかなか読書の時間がとれない今日この頃。
(^^;)

2021年12月20日月曜日

琥珀の夏

辻村深月。

帯から引用。

かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子どもの白骨死体が発見された。
弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。
三十年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と隠された罪があふれだす…

優しさと切なさが同居する何とも辻村らしいなぁ、と思えるストーリー。
じっくり読んで味わいたい作品。
(^^)

2020年1月29日水曜日

傲慢と善良

辻村深月。

かなり辛かった婚活を経て結婚を決めた架と真美。

式を9月に控えた2月、真美は架や家族の前から忽然と姿を消した。

真美が被害を受けていたストーカーが失踪の原因だと考えた架だったが、警察は真美が自らの意志でいなくなったのだと諭される。

諦めきれない架は真美の過去の見合い相手や友人、そして家族たちに話を聞いて回るうちに、あることに気づく。

それは誰の心にもある傲慢と善良だった。

なかなかヤキモキさせてくれるのだが、辻村らしい良いストーリー。
(^^)

2019年5月12日日曜日

噛みあわない会話と、ある過去について

辻村深月。
あの頃言葉にできなかった悔しさ。
心に抱えていた過去の出来事。
今になって改めて対峙した時、それはどんな形で表れるのか。
ナベちゃんのヨメ、パッとしない子、ママ・はは、早穂とゆかり、短編4話はどれも心に刺さる。
辻村の鋭い刃が冴え渡る。
(^^)



2017年3月24日金曜日

朝が来る

辻村深月。

1987年、日本でも法律が施行された特別養子縁組。
中絶や児童虐待から子供を守るセーフティネットになっているとともに、実子として養子を育てたいと願う養親の要望に応える制度として成立。

幼稚園に通う5歳になる息子、朝斗を大切に育てる清和と佐都子。

彼らの事情で子宝に恵まれなかった二人は、この制度で朝斗と家族になった。

ある日、朝斗の生みの親だと名乗る女性から子供を返して欲しいという脅迫電話がある。

子供を育てられない者と子供を授かることが叶わない者のそれぞれの事情を軸に物語は進む。

起承転結の転が不安を誘うのだが…

じんとするね。
(^^)

2016年1月21日木曜日

盲目的な恋と友情

辻村深月。

東京のはずれにある私立大学の管弦楽団。

元タカラジェンヌを母に持つキレイな子、蘭花。

同じ楽団で、有名な画家を父に持つけしてキレイではない留利絵。

二人は第一バイオリンで共にそれなりの奏者であり親友でもあった。

蘭花は前途有望な指揮者との恋に溺れるのだが、不誠実な彼の言動に振り回され憔悴していく。

これまで友人ができなかった留利絵は、初めての親友である欄花と同居しながら彼女を支えつづけていた。

蘭花と留利絵のそれぞれの視点で描かれる二つの物語。

そして迎えた蘭花の結婚式の結末は…

辻村書き下ろしのドロドロ系女子小説。
こういうのもありといえばあり。
(^-^;)

2015年9月7日月曜日

ハケンアニメ!

辻村深月。

ハケンアニメ?
なんのこっちゃと思ったのだが、ハケンとは覇権の意であった。

まぁ、好きではあるけれども、その道の領域にどっぷり浸かるほどでもないので、単語がまず分からないのだが、勢いはすごく感じる。

王子と呼ばれる訳ありのイケメン若手監督と、女王の如き振る舞いを求められスタッフの扱いに苦悩するうら若き女監督。

そして、彼らを取り巻くアニメ業界の烏合の衆。

神と呼ばれる原画マン女性の葛藤と恋模様が一体となり、二次元とリアルとの境が消滅するとき、人は幸せを感じるのだろうか…

一度、図書館で借りて読んでいたのだがタイムリミットで返却。その後なかなか借りられずにいたが、漸く手元に。

登場人物多くシーンも様々だけれど、結局は狙い澄ました結末に音もなく着地。

あ、決して予定調和ではない感動のラストエピソードが想像を駆り立てる。

辻村、作風や言葉の使い方も結構気に入っている。

( ̄∇ ̄)

2015年8月27日木曜日

家族シアター

辻村深月。

全7話の短編集。

姉と妹、姉と弟、母と娘、父と息子、祖父と孫娘、曾祖母とひ孫。

家族であっても分からないこと、家族だからこそ見えないもの。

辻村の感性が心にしみる作品。
(^^)

2014年11月2日日曜日

本日は大安なり

辻村深月。

ホテル・アールマティに勤務するウエディングプランナーの山井多香子は、自身の結婚式の準備中に破局し、前職を辞めた末にプランナーになったという異色の経歴を持っている。

11月22日の日曜日、何事においても全く良く、成功しないことはないとされる吉日の大安に予定された4組の結婚式。

一見幸せそうに見えるそれぞれの新郎新婦や親族、招待客は、様々な問題を抱えながら式に臨んでいた。

暗雲立ち込めるアールマティに突然火災報知器のベルが鳴り響く。

大安を象徴した結末に胸をなで下ろすことができるのだが、序盤からの雰囲気はそれを許さない。

莫大な金額を必要とする結婚式、通常では考えられないような一日の消え物への出費は、目に見えない縁起にこそ支払われるものだという多香子の思いが、老舗ホテルを救う。

テーマも登場人物も悪くない。
(^.^)

2012年2月28日火曜日

水底フェスタ

辻村深月。
「2012このミステリーがすごい!」で13位にランクイン。
閉鎖的な村に脈々と受け継がれる、ことなかれ主義。平穏な村の大人が見せる残酷な一面に少年が決意したものは…
村の存続をかけた野外ロックフェスタは大成功のうちに10年目を迎えた。
フェスの晩、村長の息子は、中学卒業と同時に村を出て女優になった由貴美に出会い、歳上の女性に惹かれていく。
村への復讐のために戻ってきたという彼女に夢中になった少年は、村に隠された裏の実態を突き止める。
誰もが犠牲者になりうる閉鎖共同体を舞台に多感期の少年・少女を描き出す。
繊細なタッチが好印象。(^-^)