佐々木譲。
少し先の未来の日本。
アメリカ政府の度重なる助言や自制要請を無視した日本政府は、北朝鮮と韓国からなる高麗連邦の海軍基地に先制攻撃を加えてしまう。
これを機に国連安全保障理事会は敵国条項の発動による中国の軍事行動を承認、また駐留米軍は国連軍として日本政府軍への攻撃を開始する。
僅か40日で日本の海軍力、空軍力は壊滅。陸軍力は4割が消滅し、国連軍統合司令部に無条件で降伏した。
この戦争の後、国内では内戦が勃発。
北日本では盛岡に政府を樹立した独立日本が、西日本でも対抗勢力があり、平和維持軍と国民融和政府との戦いは決定打がないまま続けられていた。
という背景がフィクションであることは自明なのだが、現在の日本のおかれた状況からは、かなりのリアリティを持って受け入れられそうな怖さがある。
そして物語は、二本松市に住む沖本信也を頼って仙台から逃げてきた酒井真智、由奈親子たちの逃亡劇へと繋がっていく。
じっくり読まないと解釈が追いつかないのだが、期待感からか次々と頁を進めてしまう。
後味的には、少しばかり苦いのだが、佐々木らしさは十分感じられる。
(^^;)
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