中山七里。
刑事犬養隼人シリーズの原点。
先に次作以降を読んでしまっていたのだが、犬養の出自がよく分かったので良かった。
警視庁深川署の目の前、木場公園の中にあるイベント池の淵で発見された若い女性の遺体。
その遺体は何者かによって、全ての内蔵を持ち去られていた。
一人娘の見舞いのために訪れていた病院で部下からの知らせを受けた犬養は早速捜査本部に向かう。
翌日、十九世紀のイギリスを恐怖に陥れた猟奇事件を起こした切り裂きジャックを名乗る犯人から帝都テレビに一通の声明文が届く。
捜査陣を朝笑うかのように次々と起こる同様の殺人事件。
犬養たちはジャックの犯行を止めることができるのか。
そしてジャックの目的は何なのか。
スピード感のある展開と臓器移植というテーマの深さ、犬養という優秀な刑事の活躍、脇を固める魅力的な人物たちと、小説として出来上がっている。
他のシリーズの登場人物たちがチラホラと出てくるところもファンには堪らない。
(^^)