2016年1月26日火曜日

レオナルドの扉

新保裕一。

過去にマンガの原作者としてアニメーションに携わっていた作者が思いついていたストーリーを30年振りに小説に書き下ろしたもの。

レオナルド・ダ・ヴィンチが残したノートには、その天才の研究の成果が数多く綴られているという。

今なお見つからない最後のノートには、軍事目的に利用されては困るほどの秘密が記されており、レオナルドの末裔たちは代々その存在を守ってきた。

1529年、このノートを躍起になって探すフランス軍を率いるナポレオンと謎の女たちが現れ、イタリアの片田舎の村で暮らしていたジャンは、行方不明になっている父の使命を悟るのだった。

マンガの原作として考えられていたことから、中盤以降の冒険活劇はとても面白い。

盛り込める限りの史実を加えることで微妙なリアリティが生まれ、厚みを増しているところが新保らしい。
(^-^)

2016年1月21日木曜日

盲目的な恋と友情

辻村深月。

東京のはずれにある私立大学の管弦楽団。

元タカラジェンヌを母に持つキレイな子、蘭花。

同じ楽団で、有名な画家を父に持つけしてキレイではない留利絵。

二人は第一バイオリンで共にそれなりの奏者であり親友でもあった。

蘭花は前途有望な指揮者との恋に溺れるのだが、不誠実な彼の言動に振り回され憔悴していく。

これまで友人ができなかった留利絵は、初めての親友である欄花と同居しながら彼女を支えつづけていた。

蘭花と留利絵のそれぞれの視点で描かれる二つの物語。

そして迎えた蘭花の結婚式の結末は…

辻村書き下ろしのドロドロ系女子小説。
こういうのもありといえばあり。
(^-^;)

2016年1月16日土曜日

砂の街路図

佐々木譲。

東京の私立高校で国語教師として教鞭を取る俊也が北海道の地方都市である運河町を訪れたのは、20年前にこの町で運河に転落して亡くなった父の死をめぐる事情を解き明かすためであった。

運河に囲まれ、南北500メートル、東西800メートルのそのエリアは石造りの倉庫やビル、クラシカルな建物で形作られており、異国情緒溢れる町並みは希少価値があるとされている。

父と母が通ったこの町の法科大学図書館で当時の父の様子を探した俊也は、漕艇部の活躍とその衰退に僅かな疑問を持つ。

20年前の父の足取りを追い、遺品の一つであったマッチブックの酒房を訪ねた俊也は、父が何のためにこの町に出掛けたのかを知る。

更に謎解きを進める俊也は、この町に隠された古い過去を知る羽目になるのだが…

確かに伏線はあったのだが、明かされる意外な真実に物語の深みが増す仕掛け。

久し振りの佐々木作品だったが、いい感触。
(^-^)

2016年1月10日日曜日

スマホカバー

これまで使っていたオレンジ色のアルミカバーがあちこちひび割れてきたので、革細工の練習を兼ねてリニューアル。

ひび割れを瞬間接着剤で補修し、カバーを巻き込む様に黒の型押し革を貼付。

多分上手くいかないかなと思ったので、カバーの下処理をしなかったのだが、思いの外仕上がってしまった。

おかげで、革とスマホの隙間に下地のオレンジがチラ見え。(>_<)

まぁ、とりあえずヨシとしますか。
(^^;)

2016年1月9日土曜日

二重螺旋の誘拐

喜多喜久。

大学の神経薬理学研究室で助手として働く啓介。彼は幼かった妹を悲しい事故で亡くしていた。

啓介の大学時代の先輩である佐倉は、啓介の幼なじみだった貴子と結婚し、一人娘の真奈佳たたちと幸せな家庭を築いていた。

ある夏の日、一人でプールに出掛けた真奈佳が行方不明になり、佐倉は誘拐犯からの電話を受ける。

登場人物たちのバックグラウンドが凄いのと、啓介と佐倉のそれぞれの視点で進むストーリーに騙されるのだが…

喜多の持ち味である大学、理系、ラブコメディにきっちり仕上がっている。
(^^)

2016年1月8日金曜日

帝国の女

宮木あや子。

帝国テレビジョン、日曜10時からのドラマ「ラスト・プリンセス」。

この脚本家である大島多恵子、主演女優のマネージャー片倉一葉、プロデューサーの脇坂麻耶、宣伝部の松国貞江、テレビ誌の帝テレ局担当記者の山浦清美。

男運に恵まれず恐ろしいほどの激務に耐える彼女たちを描く短編6話。

アナウンス部から声が掛かったこともある美形で才女の脇坂プロデューサーや、デビュー前の若手アイドルにプロポーズされてしまうほど綺麗なのに兵隊のようにモーレツに裏方をこなす貞江など、テレビ業界で働いていることで、婚期をのがす個性的な女性たちをコミカルなタッチで描く。

宮木らしい文体とストーリーはなかなか嵌まる。
(^-^)

2016年1月3日日曜日

こちら警視庁美術犯罪捜査班

門井慶喜。

警視庁刑事部捜査第二課の下部組織である美術犯罪捜査班は、岸すみれ警部補と新米刑事の三田村豪気の二人だけの職場である。

東京都内で美術品にからむ事件が起きた場合に、その解決の任に当たる特殊な捜査班に舞い込む事件とは。

すみれにほのかな恋心を寄せる豪気だったが、すみれには一人娘がいて、離婚した元夫はすみれ達が追う贋作美術商、天翔堂の社長大迫であった。

ロダンやらレンブラントやらゴッホなど、美術は分からないが、分かりやすいストーリーと伏線は、まあ読みやすい。
(^^)

2016年1月2日土曜日

群青のカノン

航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2

福田和代。

「碧空のカノン」の続編。

事件を呼び込む女、鳴瀬佳音が帰ってきた。

同級生だった渡会との仲は相変わらずだが、今回は渡会をモノにすると公言する清水絵里空士長、佳音を慕う新人の松尾二等空士との四角関係を主軸に物語は進行。

福田の得意とする航空ものにラブコメディをミックスした短編7作。

安定感抜群でさらりと読める。
佳音と渡会の行方はまだまだ分からない。
(^^)

2016年1月1日金曜日

マネークリップ

新年明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします。

お雑煮を食べた後、手持ち無沙汰だったので新規に型紙を起こしてみた。

久し振りにCADを使ったので、コマンド忘れてるし。(笑)

マネークリップ用の金具は譲り受けた小物の中に入っていたので、これを使用。

革は端切れの中から必要な大きさでチョイスしたのだが、厚みの異なる似たような風合いのものがあったので丁度良かった。

縫い糸はオレンジの太糸でガッチリと仕上げた。

背面にはL型に縫い付けた半開きのカードポケットにもう一つポケットを仕込み、シンプルながらも機能性を追求。

コバを磨いてオイリングをしたら完成。

硬めの革を使ったので、少しヤレてくるまで使いにくいかな。
(^-^;)