横山秀夫。
建築士、青瀬稔の代表作である「Y邸」。
青瀬にとって特別思い入れのある住宅なのだが、引き渡し後に入居するはずだった吉野とは連絡が取れず、新居には家財道具すら入っていない。
ただ一脚のイスを除いては…
青瀬のルーツは、父がダム建設の型枠職人で工事の度に一家は全国を転々とするいわゆる「渡り」という生活をしていたことに由来した。
そのため、我が家を建てて一カ所に落ち着くことは青瀬の中に刷り込まれた本能みたいなものだったのだが、プランニングでの妻との意見の相違が離婚という結果になった。
大学の同期で青瀬が勤める事務所の社長である岡嶋が力業で取ってきた美術館建設の設計コンペへの参加に沸き立つ事務所の面々。
旧知の青瀬はこの大きな仕事に賭ける岡嶋の思いを知ることになる。
そして青瀬がY邸を依頼された驚きの真相が明かされるとき…
横山らしい読み応えたっぷりなストーリー。
(^-^)
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