著者のデビュー作の復刊。
元版の「ダークサイド・エンジェル 紅鈴 妖の華」は第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞作である。
警視庁目白警察署管内で発見された男性の変死体。
遺体の喉元に残る楕円形の傷跡は大型の野獣の牙で食いちぎられたものとみられたが、周辺にはほとんど血痕が見当たらない。
捜査にあたる富岡はかつての後輩で嫌われ者の刑事、井岡と遭遇する。
井岡は意味深な言葉を呟き富岡の前から去って行った。
その頃、工事現場に連れ込まれヤクザ者に殺されかかっていたヒモのヨシキは、紅鈴と名乗るとびきりの美女に命を救われる。
警察小説ぽさもありながら、紅鈴は400年を生きる闇神と言われる吸血一族の末裔という伝奇小説でもあるなかなかのストーリー。
そして、登場人物には監察医の國奥定之助や嫌われ刑事の井岡博満など、姫川シリーズの顔ぶれが並ぶ。
デビュー作とは思えない著者の力量を感じる一作。
この続編にあたるらしい「妖の掟」が先週発売になっているので、そちらも読みたいところ。
(^-^)
0 件のコメント:
コメントを投稿