川瀬七緒。
法医昆虫学捜査官シリーズ第七弾。
高井戸警察署管内の自宅二階で腐乱死体として発見された72歳の男性。
その司法解剖に立ち会った赤堀准教授と岩楯刑事たちは、その最中に正体不明の何かに感染したような発疹や出血症状を発症する。
直ちに隔離された彼らには病原菌などによる感染は確認されず、その原因は「小黒蚊」と呼ばれる日本にはいないはずの小さな吸血虫による虫さされだったと判明する。
殺害現場には犯人のものと思しき様々な慰留物が見つかったが、被疑者の一人とされた空き巣犯には殺人をした様子がなく、真犯人にはなかなか辿り着けない。
そして岩楯の苦手なクモが導いた偶然の出会いにより負傷してしまう赤堀。
脇役級の登場人物にも深いディテールがあって小説として厚みが出てきた。
このシリーズは主役たちに重大な怪我を負わせるのが常態化してるのではないかと思わせるのは気のせいか。
赤堀と岩楯の中年カップルが誕生しないかねぇ。
(^-^)