樋口明雄。
南アルプス山岳救助隊シリーズ第3弾。
悪天候にみまわれた南アルプス。
元自衛官の鷲尾率いるテロ集団が北岳へ向かう玄関口である広河原へとつながる全ての道路を爆破・封鎖したうえ、陸上自衛隊化学学校から強奪したVXガスと小型巡航ミサイルを携えて北岳山荘を占拠した。
偶然山荘の外にいたため捕まらなかった山荘スタッフの松戸は、テロリストたちの動向を探るために単独行動を取る。
テロリストからの要求に屈するつもりのない政府は、1,300万人の都民の命と北岳山荘に捕らわれた者たちを天秤に掛ける。
松戸からの連絡により事態を把握した山岳救助隊の夏実たちは、松戸の救助という名目の下決死の覚悟で北岳山荘を目指す。
鷲尾の要求内容は、政府が隠した自衛隊の平和維持活動中のゲリラ攻撃による自衛官の戦死事実と、福島第一原発事故の救助活動中に爆発に巻き込まれて亡くなった自衛官の存在を公式に認めることであった。
現場で命を落とす自衛隊員に関心を寄せず、安全な場所で指示を出すだけで一切の責任をとらない政治家。
そして、その事実を国民に知らすことをしない愚行への鷲尾なりの警告であった。
時事ネタを盛り込むメッセージ性の強いストーリーに怒涛の展開が加わりシリーズ3作目はかなりハードだが、面白さも折り紙付き。
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