真保裕一。
テニスでは二度目のサーブが許されている。
最初は渾身の力を込めたサーブにチャレンジするがたとえ外してもやり直しが利き、試合を続けられる可能性がある。
町工場の味方と言われ、弱き立場の弁護を引き受けることで有名な高階弁護士事務所にイソ弁として勤務する新米弁護士の本條務。
経験の浅い務にボスの高階から与えられたある殺人事件の被疑者の弁護。
被害者は町金の社長、被疑者はその金融業者から何度も融資を受けていた町工場の経営者であり、自ら自首しており反省の言葉もあるという。
弁護士事務所の専門分野がはっきりと分かれる昨今、専門技術を求められる殺人事件は先輩弁護士も手がけた者が少ないにも係わらず、務に弁護を任せる高階。
公平な裁判のために、被害者であるにも係わらず父親の過去の行動を明かされることに憤る被害者の娘、香菜。
その矛先は必然と務に向けられる。
また、被疑者の言葉を信じきれず選任弁護士を外された務に近づく香菜。
事件の裏に隠された何かを感じた務がとった行動により裁判は思わぬ展開を見せる。
真保らしい固めの文章。ストーリーもグッド。
(^^)
0 件のコメント:
コメントを投稿